親しいからこそ負の感情を抱く 「友だち幻想」に学ぶ親しい人との上手な付き合い方
どうも。
あなたは、こちらの本をご存知でしょうか。
「友だち幻想」という本です。
約10年前に出版された本ですが、今更ながら読み、人間関係について考えてみました。
人間関係といっても、特に自分の身近にいる友達について考察していきます。
それでは、どうぞ。
人間というのは本質的につながりを求める
現代の日本ではお金さえあれば様々なサービスを受けることができます。
好きなアーティストのライブに行ったり、美味しいものを食べたり、旅行に行ったり。
どれも一人でもできることです。
しかし、多くの人が一人よりも誰かと一緒にしたいと思うのではないでしょうか。
一人でいろいろなことができるけど、一人ではどこか寂しい。
そう思うのが普通だし、それが人間であると思います。
気が合ったり何でも語り合えたりする友人は、誰もが一度は欲しいと思ったことがあるでしょう。
僕たちは常に繋がりを求めているのです。
それを前提とすると、新しい出会いに心を弾ませるのは当然であるし、、SNSが多くの人に人気がでたことなども頷けます。
しかし、その繋がりが時に僕たちを苦しめるのです。
更に付け加えると、僕たちが悩まされることの大半が、身近な人との人間関係についてだと思うのです。
「友だちだから」という脅迫
人間というのは、ある集団を形成するとその構成員たちは同じような行動をするようになります。
日本人は特にそのような傾向にあると思います。
「みんながあのゲームを持ってるから僕も欲しい」
「みんながあのドラマを見ているから私も見る」
小さい頃にこのようなことを言った経験がある人は多いでしょう。
僕たちは本能的に親しい人と同じであることに幸福感を抱くと思うのです。
しかし、時にそれは悪い方向に進みます。
誰かひとりが自分たちと同じでないとそれを理由に仲間外れにしようとしたり、みんなが知っていることを自分が知らないことに一方的に疎外感を感じたりするのです。
「友だちだから同じことをしないといけない」
「友だちだから自分を遊びに誘わないなんてありえない」
「友だちだから異論を唱えるのは許されない」
「友だちだから、、、」
これは特に学生に多い話だと思いますが、常にこんなことを考えていると憂鬱になってしまいます。
心地よかったはずの関係が、いつの間にか億劫な関係になってしまっているのです。
親しいからこそ傷つくし、嫉妬もする
自分が最も傷つく瞬間というのはどのような瞬間だと思いますか?
僕は、親しい人に裏切られたときだと思います。
親しいからこそ傷つくのです。
ほとんど関わりがないような人に裏切られたとしても(もちろん多少は傷つくでしょうが)そんなにダメージは無いと思います。
他にも、親しい人の何気ない一言でひどく落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
これも、信頼しているからこそ傷つくのです。
たとえ相手に悪気がなくても。
僕たちは、親しければ親しいほどその人のすることに敏感になり、結果的に深く傷ついたりしてしまうのです。
また、親しい人に嫉妬するのもよくあることではないでしょうか。
親しくなる理由として、自分と同じような趣味や考え方を持っていることがあると思いますが、それゆえに自分より優れている部分があったり楽しそうにしていたりすると嫉妬してしまうと思うのです。
そしてそれが限界を迎えると、その人を攻撃するようになったり不幸を願うようになったり、、。
いずれにせよ、どうでもいい相手に対しては抱きにくい感情だと思います。
僕たちが負の感情を持つ理由として「親しさ」というのはかなり重要になってくるのです。
親しい人と上手に付き合っていくために
これまで親しさの負の側面をみてきましたが、それに対する解決策が二つあると思います。
まず一つ目は、親しい人であっても「他人は他人」と割り切ること。
誰かに依存するのではなく自立することができれば、傷ついたり嫉妬したりすることが少なくなり、また自分と同じでないことに寛容になることができると思うのです。
これは少し「冷たい」と思われてしまうかもしれませんが、他人に依存することで関係がこじれるよりは何倍も良いと思います。
より長い間良好な関係のままでいられる確率が高くなるのです。
二つ目に、仲間内での認識を変えること。
「みんなと同じことをする」のではなく「少なくともこれだけはしない」という風に。
つまり、最低限のルールを決めるのです。
僕の場合は、「どんなに親しくてもありがとうとごめんなさいを忘れない」ということをルールにしたいと思っています。
この二つの言葉は他者へのリスペクトを表す言葉であると考えています。
親しい人に負の感情を持ってしまっても、「いつもありがとう」とか「あの時はごめん」とか言われることでその感情が小さくなるのではないかと思います。
どんなルールを作るかは人それぞれだと思いますが、適切なものを設ける事ができれば末永く良い関係を築けると信じています。
ここらで今回の考察を終わりたいと思います。
親しい人について今一度考えなおす良い機会になりました。
あなたも、機会があれば「友だち幻想」を読んでみてください。
ではまた。